オレがわかんねぇって？ そりゃそーだろーなぁ…オレは言わねぇ事が多いからな。 ちっ…銀次の奴と喧嘩しちまったぜ。今、銀次はいねぇ、スバルから飛び出して行っちまった。 原因は…まあ、オレのせいなんだろうな、あいつの苛立ちもわかんなかねぇんだよ。ん…

今日は雨。すっごく蒸してるよ、気温が高いからしょうがないけど。 てんとう虫の中で、オレは一人、蛮ちゃんは運転席にいない。 今日は…士度の所かな、それとも夏彦の所か…はっきりとは知らないけどね。 蛮ちゃんは…何が欲しいんだろう。何が足りなくて、オ…

今日は台風だ。いつもの通り、何かっつーと使わせてもらってるＨＯＮＫＹＴＯＮＫの２階に今日も避難させてもらってる。 …マジ、助かるよな。そのうち波児には、何か礼しとかねぇと…。 っとになぁ…いつになったら、部屋借りられんだか…。 真夜中近く、常夜灯…

だーっ、あっちぃ！！ 何なんだよ、この連日の暑さは！ まあ、元々緑が少ない上に、冷房を無意味にかけて、外に熱い空気を出すっていう悪循環をかましてる街だけどよ。 何か、毎年暑さが酷くなってるような気がすんぜ。気のせいなら、いーんだけどな。 あん…

本当はなぁ…声かけるの、やめようかと思ったんだよ。 ずっとそばにいられるわけじゃないし…昼間から見てたら、蛮の奴、笑えてたし。 今更オレが姿を現して、その後すぐにいなくなったら…蛮につまんない思いをさせるだけだろうしな。 ってわかってんのに…今日…

今日はね、蛮とデートしたんだ♪ いつも通りＨＯＮＫＹＴＯＮＫにいたから、時給払うから付き合ってくれないかな、って言ったら、「ばーか、雪彦から金なんかもらえるかよ」って笑ってＯＫしてくれたんだｖ 蛮って相変わらず優しいよねｖ 蛮とはあまり逢えな…

だからね…本当はちょっと怖かったんだ。 あの時…蛮ちゃんを追いかけて無限城を出ようと思った時。 もしかしたら、蛮ちゃんも、オレが作った、本当はいない人間なんじゃないかって。 「なぁ…もしもよ…」 「んに……何、蛮ちゃん…」 抱き合った後、そのまま気持…

真夜中。幸せすぎる夢を見て、目が醒めて涙が出た。 今だって幸せだ。あの頃とは違うけど、今だってちゃんと。 わかっているのに、何故だか涙が止まらなかった。 「蛮ちゃん…？」 起きていたのか偶然起きたのか、銀次が声をかけてくる。 真っ暗だから、涙は…

今日はね、下弦の月なんだって。 真夜中に月が出てくるのを待ってると、願い事が叶うんだってさ。二十三夜待ちって言うんだって。 蛮ちゃんは「月が出るの待ってるくらいで、望みが叶うわけねーだろ」って、隣で寝ちゃってるけど…昔からそう言われてるなら、…

今日は半夏生。 銀次の奴が半端に聞いてきて、「今日はタコ食べる日なんだってー」とか叫んでやがるが… 田植えしないオレ達には関係ねーんだよ。聞いてくるなら、全部聞いてこい！つーか…聞いても憶えてらんねぇのかもしれねぇが（苦笑 タコっていやぁ…アフ…

今日から七月やねー。 七月って言うと…いややわー、人前で大声で言うことやないやん、照れてまうわー。 はぁ？ 七月の何が恥ずかしいねん。 だって七月って…男のナニのことやろ？ そりゃ、一物やーっ！（びしっ・裏手突っ込み）つーか、「今日から一物やねー…

今日で六月も終わりだな…。 あ？猫の何処が好きかって？ そうだなぁ…… しなやかな体とか、つんと澄まして人を見下した感じとか。 聞いてないようで、人の話をみんな聞いてる所とか。 気が向いた時しか、触らせない所とか。酷く気紛れな所とか。 向けられる想…

今日、ＨＯＮＫＹＴＯＮＫに行ったら、美堂くんにからまれてしまいました（笑 何でも、僕が銀次さんに渡した薬が気に入らなかったみたいで…変だな、気持ち良くなれる薬だったんだけど。 もしかしたら、銀次さんが用法を間違えたのかもしれないな。使い方は説…

オレの隣に美堂がいる…。 美堂…だよな。いや、バカなことを言っているのは自覚してる、こいつが美堂蛮以外の誰だって言うんだ？ だが…毎晩のようにやってくるこいつは…本当に美堂なんだろうか…。 邪眼の夢…？ そうなのかもしれない。 だが、なんで毎晩こんな…

オレ、何気なく言っただけなんだけど…「もっと暑くなったら、海に泳ぎに行って、お祭りとかも行こうね♪」って。 なのに、蛮ちゃんに思いっきり嫌がられちゃった…。 「仕事以外で、先の約束なんかしたくねぇ」ってさ。 記念日とかも、好きじゃないんだよね…「…

今日はせっかくの満月だというのに、雨でとても残念ですね…。 晴れていたら美堂クンを月下の散歩に誘おうと思っていたのに…。満月の下の美堂クンは、とても綺麗でしょうねぇ…ｖ 満月の時には、出血も激しいですから。不安定に揺れる瞳に私を映して、あの甘美…

一ヶ月前、はじめて蛮の方から連絡してきて、今日は予定を入れるなと言われた。 それで今日逢ったわけだが…朝から機嫌が悪そうで、何か言いたげで、どうもはっきりしない。 不機嫌の理由は、別れ際にわかったが。 別にめでたくもねーけど、一応な、と赤くな…

まずいな…そんな気はなかったのに、はまりかけてる…。 最初は体だけの関係のつもりだったんだよ。邪馬人が猫っ可愛がりしてたのは知ってたが、俺には理由がよくわからなかったし。 こういう関係を仕掛けてきたのは蛮の方で。売りを商売にしていたという噂を…

今日は夏彦んとこに行った。腹いっぱいってくらいに満足。 やっぱ、夏彦はオレの体をよく知ってる…まあ、他の奴等とはしてる回数も全然違うしな。 あいつがオレの体をこんなにしたんだから、責任とって当然だし。 今更…男に抱かれることに抵抗はない。下手な…

今日は夏至だって。夏至ってなんだろ…１年の中で１番昼間の時間が長い日…？そうなんだ〜。 昼が長くても夜が長くても、蛮ちゃんとずっと一緒にいるんだから、関係ないけどね。 今日は…蛮ちゃんに抱きたいって言って、また思いっきり殴られちゃった…はは（；…

今日は…上弦か？ いや、ちっと太いか…昨日か、一昨日だったのかな。弓張り月って言うだけあって、本当に弓みてぇ…。 最近…また銀次が抱かせろって騒ぎ出してる…。そうだな…二ヶ月位経ってるか？ 体の奥で…蛇淫が目覚めかけてるのがわかる。煙草…もっと吸って…

これはねぇ…罰なんだよ。蛮。 そう言ったら、きっと悲しそうな傷ついた顔で、それでも仕方がないって、君は笑うだろうね。君は自分がたくさんの罪を抱えていると思っているから。そのせいで罰を受けるのは仕方がないって。 でも僕が言ってるのはそんなことじ…

夜、車の中からぼんやり外を見ていると、樹の影に邪馬人の姿を見つけた。 ？ あんなとこでなにやってんだ？ ざわりと風に煽られて、木立ちが揺れると、邪馬人はふらりと公園の奥へ消えてしまう。 ｢―――っ」 慌てて車から飛び出して、後を追いかける。邪馬人が…