2003-01-01から1年間の記事一覧

冬木士度(ねこ)

事の後、先にシャワーを浴びた美堂が、バスローブ姿のままベッドで眠っていた。 とっくにいなくなってるかと思ったが…。 そっと近付き、穏やかな寝息を漏らす薄く開かれた唇に触れようとした時、それを咎めるように、美堂の携帯が鳴った。 「…………」 しばらく…

王波児(ねこ)

煙草に火をつけて、吸い込み、深く吐き出すと、ベッドの中からしなやかな腕が伸びて、ひらひらと要求する。 「波児、オレにも」 「…灰、落とすなよ」 どうせベッドの上で煙草吸うな、とか言ったって無駄なんだと諦めて、一応釘を刺しつつも火をつけた煙草と…

美堂蛮(ねこ)

(9月21日の日記の銀次が来る前に、二人がどうやって遊んでいたか) …盗聴が趣味って辺りから、やべぇ奴だってのはわかりきってたから、今更驚きゃしねぇけど。 この程度の趣味の奴なら、まあ、結構いるしな。 「やっぱり、こういう趣味だったんだな、弦巻き…

王波児(ねこ)

(6月22日の続き) カララン♪ ……聞きたくないドアの音は空耳ではなかったが、それでもオレの運はまだ尽きてないらしい…ふう(安堵 「…失礼、お邪魔なのはわかってるんですけど」 ちょっと困ったような顔をしながら、入ってきてそう言ったのは、花月くんだっ…

王波児(ねこ)

「つっまんねぇ…」 退屈そうな猫が目の前のカウンターに懐いている。 外は実に梅雨らしい雨で、相変わらず他に客もなく(というか、猫は客じゃないか…金払わないんだからな)、夏実ちゃんも学校。 確かに気だるげではあるな。ちなみに銀次はいない。無限城に…

弥勒夏彦(ねこ)

「蛮…」 ついさっきまで可愛く喘いで哀願していたというのに、終わって一息ついた途端、ふてぶてしい態度に戻って、手錠を外せと腕を突きつけてくる。 まあ、これはこれで可愛いが。 「んだよ」 「屋敷に戻る気はないか」 「まーたその話かよ? 大概しつけぇ…

美堂蛮(ねこ)

…やなもの、見ちまった。 見るまで全然気付かなかった…あいつらが、あんなに似合いだって事に。 寝る準備(っつっても、埃よけに敷いたものの上に寝転がって、余ってる服を引っ掛けるだけだけどな)してる銀次の方へ、四つん這いで近寄っていく。 我ながら、…

天野銀次(ねこ)

蛮ちゃんがなんか変だ。 「なぁ…しようぜ、銀次…」 四つん這いで近寄ってきて、オレを甘く誘う。 それはもちろんいいんだけど、嬉しいんだけど…。 「ねぇ…蛮ちゃん、どうかしたの?」 「んだよ…したくねぇってのか…?」 「そんなこと言うわけないじゃん! そ…

天野銀次(ねこ)

今日はマリーアさんのところに遊びに来てるんだ♪ 「そうだ、銀次君、月齢占いしてあげましょうか?」 「げつれいうらない?」 「銀次君の生まれた時に、月がどのくらい欠けていたかによって、性格とかを占うものなんだけどね〜」 「けっ、あたりゃしねぇよ、…

赤屍蔵人(ねこ)

おやおや・・・士度クンと別れて、すぐにタバコを銜えて。 満足できないのならば、相手にしなければいいのにねぇ。 「…ジャッカル」 「こんばんは、美堂クン、満足なさっていないなら、私の相手をしていただけますか?」 どこまで行けばあなたが満足するのかは…

独占欲(銀雷)

「雷帝…雷帝、いる…?」 目を閉じて、自分の内側に向かって呼びかける。 そうすればいつでも現れる、愛しい影。自分であって自分でない、もう一人の自分。 雷帝。 「もちろんだ…どうした? 銀次…」 同じ顔のはずなのに、氷の美貌といえるくらいに整って見え…

わたしを殺さないで(蛮雷)

蛮を見るたびに感じるこの胸の痛みは… 「憎しみ」なんだろうか… 「………」 目が覚めた時、最初に見えたのは蛮の横顔だった。月光に照らされて、相変わらず煙草を吸っている…。 綺麗…だな。性格はともかく、蛮の顔はとても綺麗で好きだと思う。 ずっと見ていた…