美堂蛮(ねこ)
★H描写あり 注意
セックスなんか、誰としたって変わらねぇ。
ま、よっぽど下手な奴やこっちを痛めつけるのが好きな奴は別として、慣れてる奴ならそれなりに気持ちいい。
夏彦だって猿回しだって弦巻きだって、同じこと。違いなんざ、ほんの少しだ。
それこそ、不動だって。
誰とだって変わらない。
なのに。
「…蛮ちゃん……」
「……っ」
かすれた声で名を呼ばれ、ぞくりと肌が粟立つ。
銀次の声が、視線が、オレを甘く追い詰めていく。
「くっ、あ…ああっ・・・」
劣情をそそる水音を立てて、銀次の指がオレの中をかき混ぜる。
こんな真似されたって、他の奴なら挑発するくらいの余裕はあるのに、銀次が相手だと感じ過ぎて、爪を立てて声をあげることしか出来ない。
「―――っ」
ぬるりと濡れた指が引き抜かれ、腰を抱え上げられる。
「も、いいよね…そんないい声あげられたら、オレ、もうもたないよ」
どきどきする。
もう数え切れないほど繰り返した行為なのに、銀次に抱かれる時はいつも、心臓が壊れそうなほど。
返事の代わりに首にしがみつき、深く口付ける。
それを了解と取って、ローションでぬるぬるになっているそこから銀次が押し入ってきた。
「―――っく、あっあぁっ」
―――熱くて、苦しくて、気持ちがいい―――
なんでこんな…相手が「銀次」ってだけでこんな・・・・・・・・
「っぎん・・・っじ…」
「蛮ちゃん、蛮ちゃんっ」
思うさま揺さぶられて、かき回されて、頭が真っ白になっていく。
何も考えられなくなっていく中で、オレを貫く銀次自身と抱きしめる腕だけが確かで―――――
セックスなんか、誰とだって変わらない。
銀次以外なら、誰とだって。
☆☆☆
以前表の下弦で書いた、「銀次とするときはすっごく感じてる」という話の続き(?)。
しかし、なんだか文が淡々としてますね(^^;
「触れられれば誰が相手でもそれなりに気持ちいいけど、気持ちが伴えばもっといい」という話でした。